駐車場用の土地の購入|費用相場と選び方・経営開始までの流れを解説

公開日:2026/10/20
駐車場用の土地の購入|費用相場と選び方・経営開始までの流れを解説

「土地を購入して駐車場経営を始めたいものの、どのような土地を選べばよいか分からない」と悩む方も多いのではないでしょうか。

駐車場経営の収益は、土地の価格だけでなく、周辺需要、駐車台数、料金、稼働率、運営方式などによって変わります。
購入後に採算が合わないと判明する事態を防ぐには、契約前の調査と収支計画が重要です。

この記事では、駐車場用地の購入費用や相場の調べ方、土地選びのポイント、購入から開業までの流れについて分かりやすく解説します。

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監修者
金子賢司CFP®認定者

営業中の交通事故をきっかけに会社の福利厚生や年金制度に関心を持ち、FPの勉強を開始。その後独立系FPとして起業し、現在は企業主催の確定拠出年金・資産運用セミナー、新聞社や大手金融機関オウンドメディアの執筆、個人相談などを中心に活動。

駐車場用地を購入するメリット・デメリット

駐車場用地を購入するメリット・デメリット

現在土地を所有していない方でも、土地を購入すれば駐車場経営を始められます。
希望する地域や予算に合わせて候補地を探せるほか、取得した土地が資産として残る点がメリットです。

また、駐車場はアパートやマンションのような建物を建てないため、将来、土地を売却したり、住宅や店舗用途への転用も検討しやすいでしょう。

一方、土地代を含めた初期投資は大きくなります。
相続した土地や以前から所有している土地を活用する場合と比べ、投資資金の回収に時間がかかり、利回りも低くなりやすい点に注意が必要です。

駐車場用地の購入 内容
メリット ・土地が資産として残る
・希望する地域から選べる
・将来の売却・転用を検討しやすい
デメリット ・土地代や購入諸費用がかかる
・資金の回収に時間がかかる
主なリスク ・空車・収入減少リスク
・維持費・修繕費の増加リスク
・借入金の返済リスク
・土地価格の下落リスク

土地の価格が安くても、駐車需要が少なければ十分な収入を得られません。
土地の資産価値と駐車場としての収益性を分けて確認しましょう。

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駐車場用地の購入費用と相場

駐車場用地の購入費用と相場

駐車場用地の購入費用には、土地代だけでなく、仲介手数料、税金、登記費用、開設費用なども含まれます。
投資費用の総額を見積もるには、次のように整理しましょう。

総投資額=土地代+購入時にかかる諸費用+駐車場の開設費用

土地の価格は、地域、駅からの距離、面積、形状、接道状況などによって異なるため、全国共通の相場はありません。
国土交通省の「不動産情報ライブラリ」では、不動産の取引価格や地価公示、都市計画、周辺施設などを確認できます。候補地に近い土地の取引事例と、実際の販売価格を比較しましょう。

土地の購入から開業までに必要となる主な費用は、次の通りです。

費用の種類 主な内容
土地代 土地の売買価格
仲介手数料 売買を仲介した不動産会社へ支払う手数料
税金 売買契約書の印紙税、登録免許税(例:所有権移転登記、抵当権設定登記)、不動産取得税など
登記費用 司法書士報酬など
ローン費用 融資手数料、保証料、印紙税など
調査費用 測量、境界確認、地盤や地下埋設物の調査など
駐車場の開設費用 造成、舗装、区画線、車止め、看板、照明、精算機など

不動産売買契約書の印紙税は契約金額などによって異なり、土地の所有権移転登記には登録免許税がかかります。
不動産取得税も土地の取得後に課税されるため、売買代金とは別に資金を確保しておきましょう。

出典:国税庁「No.7140 印紙税額の一覧表」「No.7191 登録免許税の税額表」東京都主税局「不動産取得税」

開業後は、固定資産税や、対象地域では都市計画税がかかります。
運営方式によっては、清掃費、電気代、保険料、設備の保守・修繕費なども発生するため注意が必要です。

駐車場経営に向く土地の選び方

駐車場経営に向く土地の選び方

駐車場用地を選ぶ際には、土地の価格だけでなく、周辺の駐車需要、クルマの出入りのしやすさ、設置できる台数、法令上の制限、購入後の収益性を確認しましょう。

月極駐車場と時間貸駐車場では利用者や適した立地が異なるため、予定する経営方法に合わせて土地を選ぶことが大切です。

駐車需要を調べる

候補地周辺の住宅、集合住宅、オフィス、駅、商業施設、病院、学校、観光施設などを調べ、誰が駐車場を利用するのか想定します。
一般的に、住宅地や駐車場の少ない集合住宅周辺では月極駐車場、駅や病院、商業施設などの周辺では時間貸駐車場の需要を見込める場合があります。

ただし、立地だけで判断することはできません。
現地調査を行い、次の項目を確認しましょう。

 ● 周辺駐車場の料金と最大料金
 ● 月極駐車場の空き状況
 ● 時間帯・曜日ごとの稼働状況
 ● 路上駐車や待機車両の有無
 ● 競合駐車場の新設・閉鎖状況
 ● 周辺施設の開業・移転・閉鎖予定

平日の昼間だけでなく、夜間や休日にも現地を確認すると、需要の変化を把握しやすくなります。

接道と土地形状を確認する

土地の面積が広くても、間口が狭い土地や大きな高低差がある土地では、予定した台数を確保できない場合があります。
前面道路の幅、交通量、一方通行、中央分離帯、歩道、進入方向を確認し、安全に入出庫できるか調べましょう。

時間貸駐車場では、車室だけでなく、車路、転回スペース、精算機、看板などの設置場所も必要です。土地の間口、奥行き、傾斜、電柱、標識、樹木なども影響する場合があるため、購入前にレイアウト案を作成し、実際に設けられる車室数を確認してください。

狭小地や変形地でも駐車場として活用できる可能性はあります。
ただし、駐車台数が少ない場合は、土地の購入費に見合う収入を得られるか慎重な試算が必要です。

法規制と権利関係を調べる

土地を購入する前に、用途地域、地目、接道状況、自治体の条例なども確認しましょう。

路外駐車場(不特定多数の人が利用できる駐車場)のうち、駐車の用に供する部分の面積が500㎡以上のものは、駐車場法に基づく構造・設備の基準の対象です。
さらに、都市計画区域内で駐車料金を徴収する場合は、あらかじめ設置の届出が必要になります。

出典:e-Gov法令検索「駐車場法 第十一条・十二条」

また、自治体独自の条例や、屋外広告物、歩道の切り下げに関する手続きが必要になることもあるため、事前に確認しておくと安心です。

権利関係は登記事項証明書や測量図、現地確認などで、次の項目を調べます。

 ● 現在の所有者
 ● 地目と地積
 ● 抵当権や地役権の有無
 ● 私道持分や通行権
 ● 境界の確定状況
 ● 越境物や地下埋設物の有無

売買契約後に境界や埋設物の問題が発覚すると、開業時期や工事費に影響します。
疑問がある場合は、不動産会社、土地家屋調査士、自治体などへ相談してください。

購入後の利回りを試算する

候補地ごとに、駐車台数、料金、稼働率から年間収入を試算します。
そこから固定資産税、管理費、修繕費などを差し引き、年間利益を求めましょう。

表面利回り=年間収入÷総投資額×100
実質利回り=年間利益÷総投資額×100

土地を購入する場合は、土地代だけでなく、仲介手数料や税金、造成・舗装費なども総投資額に含めます。
借入金を利用する場合は、利益とは別に、毎月の返済後に手元へ現金が残るかも確認します。

満車を前提にせず、稼働率が想定を下回った場合や、料金を引き下げた場合も計算しましょう。

土地の購入から駐車場経営を始めるまでの流れ

駐車場経営のメリット

駐車場用地の購入で失敗を防ぐには、売買契約前に需要調査と収支試算を行うことが重要です。
続いては、土地の購入から駐車場経営を始めるまでの基本的な流れを紹介します。

①駐車場の種類を決める

まずは、月極駐車場と時間貸駐車場のどちらを運営するか検討しましょう。

種類 収入の仕組み 検討しやすい立地
月極駐車場 利用者と月単位で契約し、月額料金を受け取る 住宅地、オフィス街、集合住宅周辺など
時間貸駐車場 利用時間に応じた料金を受け取る 駅、病院、商業施設、繁華街周辺など

周辺需要だけでなく、必要な設備、管理の手間、売上変動の大きさも比較することが重要です。

②候補地を探す

次に、不動産情報のWebページや不動産会社を利用し、予算と希望エリアに合う土地を探します。

駐車場用地として販売されている土地だけでなく、更地や既存の月極駐車場も候補になります。
価格、面積、形状、接道状況、権利関係を一覧にして比較すると判断しやすくなるでしょう。

③需要調査と収支試算を行う

候補地ごとに現地を確認し、周辺料金、稼働状況、駐車可能台数を調べます。
そのうえで初期費用、年間収入、維持費、借入金返済を試算しましょう。

購入前に駐車場運営会社へ相談し、時間貸駐車場として運営できるか、どの程度の賃料や収入を見込めるか査定を受けるのもおすすめです。

④土地を購入する

購入する土地を決めたら、重要事項説明を受け、手付金を支払って売買契約を締結します。
その後、残代金を支払い、土地の引き渡しと所有権移転登記を行うのが一般的です。

契約前には、登記事項証明書、測量図、境界確認書、固定資産税の課税明細書などを確認します。
ローンを利用する場合は、融資が実行されなかった場合の契約上の取り扱いも確認してください。

⑤運営方法を決めて開業する

駐車場の主な運営方法には、自主管理方式、管理委託方式、一括借り上げ方式の3つがあります。

運営方法 土地所有者の収入 初期費用・管理負担
自主管理方式 利用者から受け取る駐車料金 原則として所有者が設備費と管理業務を負担
管理委託方式 駐車料金から管理委託料などを差し引いた金額 設備費は所有者負担が一般的。管理業務を委託できる
一括借り上げ方式 運営会社から受け取る賃料 契約により運営会社が設備設置と管理を行う

自主管理方式と管理委託方式では、必要に応じて造成、舗装、区画線、看板、照明、精算機などを、土地の所有者が整備します。

一方、一括借り上げ方式では、契約内容に応じて運営会社が設備の設置や開業後の管理を行います。
自主管理方式や管理委託方式と比べて、初期費用や管理負担を抑えやすい方法です。

購入した土地を駐車場運営会社へ貸す方法

購入した土地を駐車場運営会社へ貸す方法

前述した「一括借り上げ方式」の場合、土地所有者は駐車料金ではなく、契約で定めた賃料を受け取ります。
売上が増えても賃料が増えるとは限りませんが、稼働率低下による収入減を心配する必要がなく、管理負担も抑えやすいのがメリットです。

例えばタイムズパーキングの場合、タイムズ24が土地を一括で借り上げ、オーナー様へ毎月定額の賃料を支払います。
駐車場の機器・看板の購入や設置、電気工事、定期メンテナンス、水道光熱費などは原則としてタイムズ24が負担します。

購入を検討している土地が駐車場経営に適しているか判断したい場合は、購入前にタイムズ24へご相談ください。周辺の駐車需要や土地の形状を調査し、開設の可否や見込める賃料をご提案します。

駐車場用地を購入する際の注意点

駐車場用地を購入する際の注意点

駐車場用地は、土地の安さや想定売上だけで購入を決めないことが大切です。特に次の点を確認しましょう。

 ● 月極駐車場と時間貸駐車場の需要を分けて調査する
 ● 満車ではなく、複数の稼働率で収支を試算する
 ● 土地代に加え、税金・登記・工事費を総投資額へ含める
 ● 借入金返済後の資金繰りを確認する
 ● 将来の売却価格や別用途への転用可能性も考える

駐車場は、周辺の再開発や施設の閉鎖、競合駐車場の開業によって需要が変わります。
現在の状況だけでなく、地域の人口動向や開発計画も確認してください。

また、駐車場としての運営を終了しても、購入した土地の固定資産税や管理責任は残ります。
撤退後に売却しやすい土地か、ほかの用途へ転用できるかも判断材料にしましょう。

駐車場用地は購入前に収益性を確認しよう

駐車場用地を購入する際の注意点

駐車場用の土地を購入するときは、土地価格だけでなく、購入諸費用、開設費用、周辺需要、駐車台数、運営後の支出まで確認することが大切です。

【この記事で押さえておきたいポイント】
 ● 購入前に駐車場の種類と想定利用者を決める
 ● 車室だけでなく車路や設備を含めたレイアウトを作成する
 ● 土地代を含む総投資額から実質利回りを計算する
 ● 満車時だけでなく稼働率が下がった場合も試算する
 ● 売買契約前に駐車場運営会社へ相談する

タイムズ24では、土地の立地や形状、周辺の駐車需要を調査し、時間貸駐車場としての活用方法をご提案します。
購入を検討している土地で駐車場経営が可能か、どの程度の賃料を見込めるか確認したい場合は、契約前にお気軽にご相談ください。

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土地活用に関するお問い合わせ

駐車場用の土地購入に関してよくある質問

駐車場用の土地購入に関して、よくあるご質問にお答えします。

お問い合わせの多いご質問

土地購入からでも利益を出せますか?

周辺に継続的な駐車需要があり、土地代を含む総投資額に対して十分な収入を見込めれば、利益を得られる可能性があります。
ただし、もともと所有している土地を活用する場合より初期投資が大きくなります。
固定資産税、管理費、修繕費、借入金返済を差し引いた後の手取り額で判断しましょう。

土地購入にローンは使えますか?

金融機関の審査に通れば、事業用の融資などを利用できる場合があります。
利用できる融資や条件は、土地の担保価値、自己資金、駐車場の事業計画、申込者の返済能力などによって異なります。
融資を前提に売買契約を結ぶ場合は、融資が承認されなかったときの契約解除条件も確認してください。

狭い土地でも駐車場にできますか?

車両が安全に出入りでき、必要な車室や車路を確保できれば、狭小地や変形地でも駐車場として活用できる可能性があります。
ただし、土地の面積だけでは判断できません。間口、前面道路、電柱、高低差などを確認し、購入前に駐車場運営会社へレイアウトと収益性の調査を依頼しましょう。

駐車場用の土地を購入する場合、土地代だけでなく、購入時の諸費用や駐車場の開設費用なども考慮する必要があります。この記事では、駐車場用の土地の購入にかかる費用や相場のほか、土地の選び方や駐車場開設までの流れ、購入する際の注意点についても解説します。