不動産を相続する前に知っておきたいこと|手続き・税金・活用方法を解説

公開日:2018/03/27 更新日:2026/07/10
不動産を相続する前に知っておきたいこと|手続き・税金・活用方法を解説

「相続した実家や土地をどうすればいいのか分からない」「不動産の遺産相続にはどのような手続きが必要なのか不安」と感じている方も多いのではないでしょうか。

不動産相続では、準備や対応が遅れることで、相続人同士のトラブルや税金負担につながる可能性があります。そのため、相続手続きの流れや必要な書類、遺産分割の進め方などを早めに把握しておくことが大切です。

この記事では、不動産の遺産相続について、手続きの流れや税金などの基礎知識、遺産相続後の土地活用まで分かりやすく解説します。

監修者の写真
監修者
金子賢司CFP®認定者

営業中の交通事故をきっかけに会社の福利厚生や年金制度に関心を持ち、FPの勉強を開始。その後独立系FPとして起業し、現在は企業主催の確定拠出年金・資産運用セミナー、新聞社や大手金融機関オウンドメディアの執筆、個人相談などを中心に活動。

不動産相続とは?

不動産相続とは?

不動産相続とは、亡くなった方(被相続人)が所有していた土地や建物などの不動産を、配偶者や子どもなどの相続人へ引き継ぐことをいいます。

現金や預貯金とは異なり、不動産は分割しにくい資産であるため、相続時にトラブルへ発展しやすい点が特徴です。
特に、相続する不動産を複数人で共有名義にする場合、「売却したい人」と「住み続けたい人」で意見が分かれるケースも少なくありません。

また、不動産を相続すると、名義変更(相続登記)や固定資産税の支払い、相続税の申告など、さまざまな手続きが必要になります。
2024年4月1日からは相続登記が義務化されており、正当な理由なく放置すると10万円以下の過料の対象になる可能性もあるため注意が必要です。なお、この義務は施行日より前に発生した相続にも適用され、令和9年(2027年)3月31日までの登記が必要です。
出典:法務省「相続登記の申請義務化について

なお、相続できる人には優先順位があります。
法律上、亡くなった方の財産を相続する権利を持つ人を「法定相続人」といい、配偶者は常に相続人となります。また、第1順位は子ども、第2順位は父母などの直系尊属、第3順位は兄弟姉妹です。
出典:国税庁「No.4132 相続人の範囲と法定相続分

不動産の遺産相続では、遺言書がない場合、「誰がどの不動産を引き継ぐのか」を決める遺産分割協議が重要になります。
相続後に慌てないためには、不動産相続の基本的な仕組みや必要な手続きを事前に理解しておくことが大切です。

駐車場経営のご相談・お問い合わせ

不動産相続でよくある課題

不動産相続でよくある課題

不動産を相続する際、以下のような課題や悩みに直面することがあります。

相続人が複数いて遺産分割の合意が取れない

土地や建物は物理的に均等に分けにくいため、不動産相続では遺産分割協議がまとまらないことも珍しくありません。

例えば、親と同居していた長男は「実家に住み続けたい」と考え、遠方に住む兄弟姉妹は「売却して現金で分けたい」と希望するケースです。
また、「介護をしてきた自分が多く相続したい」と主張する相続人が現れるなど、感情的な対立に発展する場合もあるでしょう。

共有名義のまま相続すると、将来的に売却や大規模な建て替えの際に全員の同意が必要となり、さらに問題が複雑化する可能性があります。
そのため、不動産の遺産分割では、早い段階で専門家へ相談しながら進めることが重要です。

相続手続きに必要な書類が多く何から始めればよいかわからない

相続する土地の名義変更や相続税の申告では、多くの書類を準備する必要があります。
特に、初めて不動産相続を経験する方は、「何を集めればよいのか分からない」と悩むケースも多いです。

不動産の相続手続き(相続登記)を行う際に用意しておきたい主な書類は、以下の通りです。なお、以下は相続人同士で遺産分割協議を行うケースで使用するもので、法定相続分どおりに相続する場合や遺言書がある場合は、必要書類が一部異なります。

【不動産の相続(相続登記)に必要な書類】

書類の名称 入手先 備考
亡くなられた方
(被相続人)
戸籍謄本(戸籍事項証明書)
除籍謄本
改製原戸籍
本籍地の市区町村※ 出生から死亡まで、在籍していた全ての戸籍・除籍謄本が必要
住民票の除票
又は
戸籍の附票
住民票の除票:住所地の市区町村
戸籍の附票:本籍地の市区町村
登記簿上の住所および本籍地の記載のあるもの
(「被相続人の登記上の住所」が「戸籍謄本」等に記載された本籍と異なる場合に必要)
法定相続人 戸籍謄本(抄本)(戸籍事項証明書) 本籍地の市区町村※ 亡くなられた方の死亡日以降に発行されたものが必要
印鑑証明書 住所地の市区町村 遺産分割協議書に押印された印鑑に関するものが必要
固定資産課税明細書 毎年4月頃に市区町村から送付 登記申請をする日の属する年度のものが必要
法定相続人のうち、新しく所有者になる方 住民票 住所地の市区町村
亡くなられた方(被相続人)
書類の名称
戸籍謄本(戸籍事項証明書)
除籍謄本
改製原戸籍
住民票の除票
又は
戸籍の附票
入手先
本籍地の市区町村※
住民票の除票:住所地の市区町村
戸籍の附票:本籍地の市区町村
備考
出生から死亡まで、在籍していた全ての戸籍・除籍謄本が必要
登記簿上の住所および本籍地の記載のあるもの
(「被相続人の登記上の住所」が「戸籍謄本」等に記載された本籍と異なる場合に必要)
法定相続人
書類の名称
戸籍謄本(抄本)(戸籍事項証明書)
印鑑証明書
固定資産課税明細書
入手先
本籍地の市区町村※
住所地の市区町村
毎年4月頃に市区町村から送付
備考
亡くなられた方の死亡日以降に発行されたものが必要
遺産分割協議書に押印された印鑑に関するものが必要
登記申請をする日の属する年度のものが必要
法定相続人のうち、新しく所有者になる方
書類の名称
住民票
入手先
住所地の市区町村
備考

※本人、配偶者、直系尊属(父母、祖父母など)、直系卑属(子、孫など)の戸籍等については本籍地以外の市区町村の窓口でも請求できます。

出典:法務局「相続による所有権の登記の申請に必要な書類とその入手先等

上記の集める書類のほか、登記申請書、遺産分割協議書などを作成する必要があります。代理人へ依頼する場合は委任状、戸籍謄本等の原本還付を希望する場合は相続関係説明図も必要です。相続手続きをスムーズに進めるには、必要書類の手配を早めに行うことが大切です。
また、上記以外の必要書類を求められるケースもあるため、不安な場合は専門家に相談しましょう。

相続税の負担が大きく、不動産を手放すことを検討している

不動産は現金と違い、すぐに換金できるものではありません。
しかし、相続税は原則として金銭による一括納付が求められるため、納税資金の確保も課題の一つとなっています。

特に都市部の土地は評価額が高くなりやすく、相続税額が想定以上になることもあります。
実際、相続税を支払うために土地を売却しなければならないと悩む方も少なくありません。
また、空き家や使っていない土地を相続した場合でも、固定資産税や維持管理費は継続的に発生します。

そのため、不動産相続では「保有を続けるべきか」「売却するべきか」「賃貸活用できるか」まで含めて検討することが重要です。
選択肢を広げるためにも、相続税対策や不動産活用について早めに検討を始めましょう。

不動産相続の具体的な対策方法

不動産相続の具体的な対策方法

不動産相続は、事前に流れや対策を理解しておくことで、相続人同士のトラブルや税負担を軽減しやすくなります。
ここでは、不動産相続で押さえておきたい具体的な対策方法を紹介します。

相続手続きの流れを把握する

不動産相続では、手続きを順番に進めることが重要です。
途中で必要書類が不足したり、遺産分割の話し合いがまとまらなかったりすると、相続登記や相続税の申告が遅れる原因になります。

【不動産相続の基本的な流れ】
1 相続開始
2 遺言書の有無を確認
3 財産調査・相続人調査
4 遺産分割協議
5 相続登記(名義変更)
6 相続税の申告・納税

相続登記は、不動産を取得したことを知ってから3年以内に登記を行う必要があります。
出典:法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A

また、相続税の申告・納税期限は「被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10カ月以内」です。
出典:法務省「No.4205 相続税の申告と納税

期限を過ぎると延滞税や加算税が発生する可能性があるため、相続税がかかる見込みがある場合は早めに準備を進めましょう。

事前に以下のことを調べて把握しておくと、手続きをスムーズに進められます。

☐ 遺言書はあるか
☐ 相続人は誰か
☐ 土地や建物の名義は誰になっているか
☐ 相続税が発生する可能性はあるか
☐ 売却または土地活用の予定はあるか

相続税を試算して節税対策を検討する

不動産相続では、事前に相続税を試算しておくことが重要です。
土地などの不動産は評価額が高額になりやすく、想定以上の税負担が発生するケースがあります。

相続税には基礎控除(非課税枠)があり、以下の計算式で求められます。

基礎控除=3,000万円+600万円×法定相続人の数

例えば法定相続人が3人の場合、基礎控除額は4,800万円です。
相続財産が基礎控除を超えない場合、原則として相続税はかかりません。
出典:国税庁「No.1199 基礎控除

また、不動産相続では「小規模宅地等の特例」を活用できる場合があります。
小規模宅地等の特例とは、亡くなった方が住んでいた自宅の土地や事業用の土地について、一定条件を満たすと土地の評価額を最大80%減額できる制度です。
節税効果はケースによって異なるため、早めに試算したうえで対策を検討しましょう。
出典:国税庁「No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)

相続対策に強い専門家へ相談する

不動産相続は、法律や税金、登記など幅広い知識が必要になるため、内容によって相談先が異なります。

専門家 相談内容
弁護士 遺産分割トラブル、相続人同士の揉め事、遺留分請求、相続放棄など
税理士 相続税の申告、相続税の試算、節税対策、小規模宅地等の特例の相談など
司法書士 相続登記(名義変更)、必要書類の作成、相続放棄申述書の作成、法務局への申請手続きなど

最近では、弁護士・税理士・司法書士などが連携して対応する「相続相談窓口」も増えています。
複数の専門家へ個別に相談する負担を減らしたい場合は、ワンストップで対応できるサービスを活用するのも有効です。

相続した土地を駐車場として活用する

相続した土地の使い道が決まらない場合、そのまま放置してしまうケースも少なくありません。
しかし、空き地の状態でも固定資産税や草刈りなどの維持管理費は継続的に発生するため、経済的な負担につながることがあります。

このようなケースで注目されているのが、駐車場経営です。
駐車場経営は、アパートやマンション経営と比べて初期費用を抑えやすく、比較的短期間で運用を開始できます。建物の建築が不要なため、将来的に売却や別の用途への転用もしやすいのがメリットです。
管理会社へ運営を委託すれば、集客や料金管理、トラブル対応などを任せられる場合もあり、遠方に住んでいる方でも管理負担を抑えながら土地活用を始めやすいでしょう。

タイムズ24が運営するタイムズ駐車場なら、手間や費用をかけずに駐車場経営をスタートしていただけます。
駐車場開設に必要な精算機、駐車機器、料金看板などの設備はタイムズ24の負担でご用意し、設置いたします。
また、土地オーナー様には駐車場の稼働に関わらず、毎月定額の賃料をお支払いするシステムのため、空車リスクについてご心配は一切不要です。

タイムズ24では、24時間365日の管理・サポート体制により、オーナー様の大事な土地をお預かりします。
相続した土地の使い道が決まらない場合は、ぜひ駐車場経営による収益化を検討してみてはいかがでしょうか。

不動産を相続するなら早めの準備と対策が重要!

不動産を相続するなら早めの準備と対策が重要!

不動産相続は、遺産分割や相続登記、相続税の申告など、複数の手続きを期限内に進める必要があります。
また、空き家や空き地を相続した場合でも、固定資産税や維持管理費は継続的に負担し続けなければいけません。

そのため、不動産を相続する場合には、手続きの流れや土地活用の方法を早めに検討し、準備と対策を進めることが大切です。

【この記事で押さえておきたいポイント】
 ● 不動産相続では、相続登記や相続税の申告など期限のある手続きがある
 ● 土地の遺産分割はトラブルになりやすいため、早めの話し合いと準備が重要
 ● 相続した土地は売却だけでなく、駐車場経営などで活用できる可能性もある

相続した土地をどのように活用すべきか迷ったときは、土地活用に強い専門会社へ相談するのがおすすめです。

不動産のご相続でお困りなら、
まずはタイムズにご相談を!

タイムズではメリットたくさん!
当社にまかせて駐車場経営をはじめませんか

  • 初期費用 0
  • 運営・管理費 0
  • 安定収入 安定収入

土地活用に関するお問い合わせ

不動産の相続に関してよくあるご質問

ここからは、不動産の相続に関してよくあるご質問にお答えします。

お問い合わせの多いご質問

不動産相続の手続きはいつまでに行う必要がありますか?

相続登記は、原則として不動産を取得したことを知った日から3年以内に行う必要があります。なお、2024年4月1日の制度施行前に発生していた相続については経過措置があり、2027年3月31日までに登記する必要があります。
また、相続税の申告・納税期限は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10カ月以内です。
期限を過ぎると過料や延滞税が発生する可能性もあるため、早めに準備を進めましょう。

相続した不動産を共有名義にすると問題がありますか?

共有名義にすると、不動産の売却や建て替えなどを行う際に、共有者全員の同意が必要になる場合があります。
相続人同士で意見が分かれると、将来的なトラブルにつながるケースも少なくありません。
不動産の遺産分割について不安がある場合は、早めに専門家へ相談することが大切です。

相続した土地を使わない場合はどうすればよいですか?

使っていない土地でも、固定資産税や維持管理費は継続的に発生します。
そのため、売却だけでなく、駐車場経営や賃貸活用など、土地活用を検討するのも選択肢の一つです。

土地の立地や広さによって適した活用方法は異なるため、土地活用に強い専門会社へ相談しながら検討するとよいでしょう。

タイムズ24は全国47都道府県に駐車場を展開しており、蓄積したノウハウを活かした駐車場の管理実績が、オーナー様から高い評価をいただいています。

相続した土地の活用についても、ぜひお気軽にご相談ください。

よくあるご質問の一覧を見る

不動産の相続では、相続登記や相続税の申告、遺産分割など、期限のある手続きを進める必要があります。この記事では、不動産を遺産相続する場合の基礎知識として、手続きの流れや必要な書類、よくある課題やトラブル、相続対策としての土地活用方法まで分かりやすく解説します。