■監修
税理士:税理士法人よしとみパートナーズ会計事務所成松 啓安、小森 翔平、タイムズサポートFPクラブ
「相続税の計算方法」をテーマに、相続税の基本的な仕組みをご紹介します。ぜひご覧ください。
「相続税の計算方法」をテーマに、相続税の基本的な仕組みをご紹介します。ぜひご覧ください。
■監修
税理士:税理士法人よしとみパートナーズ会計事務所成松 啓安、小森 翔平、タイムズサポートFPクラブ
相続税とは、相続した財産に対してかかる税金です。亡くなった人が持っていた財産から、非課税財産、債務・葬式費用等を差し引いたものに対して相続税がかかりますが、相続税には基礎控除があります。相続財産の課税価格が基礎控除額を超えると相続税がかかり、基礎控除額以下の場合には相続税はかかりません。
■基礎控除額 (3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)
相続税の対象となるのは、現金預金、土地・建物等の不動産、株式や債券等の有価証券など亡くなった人が所有していた財産です。これに加えて、亡くなったことにより生じる死亡保険金や死亡退職金等の「みなし相続財産」(500万円に法定相続人の数を掛けた金額は非課税)、相続開始前3年以内に贈与された財産や相続時精算課税制度を適用して贈与された財産も課税対象となります。
これら課税対象となる財産から、お墓や仏壇などの非課税財産と、債務・葬式費用等が引かれます。このようにして算出したものが、「相続税の課税価格」です。この課税価格から、「基礎控除額」を差し引いたものが、「課税遺産総額」となります。
小規模宅地等の特例
【相続税の計算の流れ】
①課税遺産総額を計算
まず、上記の流れで課税遺産総額を計算します。
財産内訳 |
|
|||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
非課税財産 | なし | |||||||||||
債務 | ▲400万円 | |||||||||||
葬式費用 | ▲100万円 | |||||||||||
非課税枠 | 小規模宅地等の特例適用 | 自宅土地評価額4,000万円×80%= ▲3,200万円 | ||||||||||
生命保険非課税枠 | 500万円 × 3人 = ▲1,500万円 | |||||||||||
基礎控除 | 3,000万円 + 600万円×3人 = ▲4,800万円 | |||||||||||
課税遺産総額 | 1億3,500万円 - 400万円 - 100万円 - 3,200万円 - 1,500万円 - 4,800万円 = 3,500万円 |
②課税遺産総額を一旦、法定相続分で分け、相続税の税率 速算表に基づき相続税総額を計算します。
<相続人の範囲や法定相続分について>
今回の事例では、配偶者と子供が相続人である場合に当てはまるため、法定相続分は配偶者1/2、子供1/2となります。
法定相続分に応ずる取得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000万円以下 | 10% | - |
3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
1億円以下 | 30% | 700万円 |
2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
6億円超 | 55% | 7,200万円 |
妻 | 3,500万円 × 1 / 2 = 1,750万円 × 15% - 50万円 = 2,125,000円 |
---|---|
長男 | 3,500万円 × 1 / 4 = 875万円 × 10% = 875,000円 |
長女 | 3,500万円 × 1 / 4 = 875万円 × 10% = 875,000円 |
相続税総額 3,875,000円 |
③実際の遺産取得割合で相続税を按分し、納付税額を算出します。
※配偶者が相続した遺産のうち課税対象となるものの額が1億6,000万円まで、または配偶者の法定相続分までであれば、相続税が課税されません。
実際の相続割合が妻50%、長男30%、長女20%だった場合
妻 | 3,875,000円 × 50% = 1,937,500円 → 0円 |
---|---|
長男 | 3,875,000円 × 30% = 1,162,500円 → 本ケースの相続税 納付金額 |
長女 | 3,875,000円 × 20% = 775,000円 → 本ケースの相続税 納付金額 |