どんな活用方法があるか知っても、何を判断基準に決めればいいのか、初めて土地活用を検討する際は分からないことだらけです。
「土地オーナーへの道」の第三話は、「土地活用方法検討時の注意点」をテーマにお届けします。
土地活用方法を検討する上で何に注意すればいいのか、活用方法別にファイナンシャルプランナーの先生からアドバイスをもらいながら、自分に合った形を模索する第三話をお楽しみください。
【第三話】土地の活用方法検討時の注意点
【1】土地を売却する場合の注意点
ファイナンシャルプランナーの先生に教えてもらった3つの土地活用方法のうち、どの方法が我が家に適しているのだろう。
先生は3つの活用方法のうち、まずは土地を売却する際の注意点について説明してくれた。
・売却価格だけでなく、支払う税金のことも考慮に入れて、手元に残る金額を計算する。
・売却せずに他の活用方法を選択した場合の収益と比較する。
「先祖代々受け継がれてきた土地を手放す事は大きな決断になるため、専門家に収益を試算してもらい、納得いくまでよく考えてください」と先生から追加でアドバイスをいただいた。
【2】建物を建てる場合の注意点
土地を売却すれば、すぐに収益を得ることができるが、先祖代々守り続けた土地なので、売却するよりは娘に引き継いでいきたい気持ちが強くなってきた。
売却以外で、「建物を建てる場合」もしくは「平地活用する場合(駐車場経営)」だと、どちらが自分にあった活用法なのだろうか。
ファイナンシャルプランナーの先生に相談したところ、建物を建てる場合は自身の住む居住用と賃貸物件の2パターンがあり、それぞれ検討する際の注意点についてアドバイスをいただいた。
■自身が住む居住用の建物の場合
・自分(家族)のライフスタイルに合ったエリアか調べる。
そのエリア周辺の生活環境や子育て環境なども含め、自分の足で確認する。
・家を建てる工務店やハウスメーカーを調べる。
太陽光発電の得意な会社や、独自の工法で建築する会社など、色々な会社から話を聞き、自分の理想に合った会社を選択する。
■賃貸用の建物の場合
・常に借り手がいる状況を維持できるエリアであるかどうかを見極める。
借り手がいなければ、どんなにいい物件でも収入を得ることができないため、地元の不動産会社などから情報を得て、賃貸としての需要があるかを調査する。
資金計画
ファイナンシャルプランナーの先生が、「居住用・賃貸用どちらも大きな金額が動く事なので、全体の収支をよく考えてより良い家づくりを想定しましょう」と、建物を建てる際の資金計画の重要性についても説明してくれた。
■資金計画を立てる
・建物を購入する際は、建物の金額のほかにも様々な費用(税金・登記費用や保険料など)がかかることも考慮にいれ、資金計画を立てる。
・建物購入後にかかる修繕費についても予め考えておくことが必要。
■ローン試算
・居住用の建物購入時に住宅ローンを利用した場合「住宅ローン控除(※)」を有効に活用できるケースがあるため、適用要件を満たしているか確認し試算する。
※年末の住宅ローン残高に応じて、一定額が所得税や住民税から控除される制度
・賃貸用の建物建築時にローンを組む場合
住宅ローンより金利が高い事業用のローンを組むことになるため、収益がどの程度見込めるかを試算する。
【3】平地活用する場合(駐車場経営)の注意点
建物を建てる場合の注意点は理解できた。
最近、駐車場になっている土地を多く見かけるが、駐車場経営を検討する場合は何に注意すればいいのか、追加で先生にアドバイスを求めた。
・固定資産税や都市計画税などの出費部分を駐車場収入で補えるかを試算する。
・駐車場事業者に委託すれば、住宅ローンを借りる事なく、駐車場の機械設置・運営についても事業者が行うため、建物を建てるよりも手間と費用はかからない。
【4】土地活用全体の注意点
また、先生は土地活用全体に対する注意点についてもアドバイスをくれた。
・「現在の収入+土地活用による収入」と「土地の維持費+土地活用収入に対する税金」のバランスを考える必要がある。
・仮に高い賃料収入を得れば、それだけ支払う税金も高くなり、結果的に収支が悪化する可能性もあるため、事前に収支を試算することが重要。
確かに収入が増えた分だけ税金が増えることを考慮にいれておかなければ、収入が増えた分だけ支出が多くなると、家計が悪化してしまう。予め試算しておかなくてはいけないな。
土地の活用方法を検討する時の注意点を教えてもらったので、一旦今後の活用方法について妻に相談してみることにした。