■監修
税理士:小林 孝也、タイムズサポートFPクラブ
遺産分割を行い、土地を相続したものの、その後の手続きや活用方法まで、思いを巡らせることは簡単ではありません。
「土地オーナーへの道」の第二話は、「初めての相続」をテーマにお届けします。
土地の登記や納税への対応などを経て、将来設計と土地活用の検討に至る第二話をお楽しみください。
遺産分割を行い、土地を相続したものの、その後の手続きや活用方法まで、思いを巡らせることは簡単ではありません。
「土地オーナーへの道」の第二話は、「初めての相続」をテーマにお届けします。
土地の登記や納税への対応などを経て、将来設計と土地活用の検討に至る第二話をお楽しみください。
■監修
税理士:小林 孝也、タイムズサポートFPクラブ
相続財産の棚卸をしたところ、対象となるのは空き地、先祖代々の墓、預貯金の3つだということが分かった。
親の遺言もなく、戸籍謄本を調べても相続人は私と妹の2名だけだったため、早速、遺産分割協議を行うことになった。
まず、長男である私が先祖代々の墓を相続することが決まった。
空き地の時価については不動産鑑定士に評価を依頼したところ、預貯金とほぼ同等だったため、地元に残っている私が空き地を、妹が預貯金を相続することに決まった。
争続にはなりたくなかったので、無事に終わってほっとした。ただ、初めて土地を所有するため、何をすべきか分からない。
今回もファイナンシャルプランナーに相談したところ、2つのアドバイスをもらった。
【1】 土地の所有権を主張するために、 相続した土地の不動産登記を変更する。
【2】 登記変更後、相続税を支払う。
面倒だと思っていた、不動産登記の変更や相続税の支払いもなんとか終えることができた。
これも先生方のアドバイスのおかげと安心した矢先、ファイナンシャルプランナーから一言。
「固定資産税と都市計画税の支払いの準備はしておきましょう。」
土地を所有すると、固定資産税と都市計画税を支払い続ける必要があるそうだ。
相続はもらえるものばかりかと思っていたが、相続税以外にも必要な出費があることを計算していなかった。
土地を所有しているだけでは、お金は出ていくばかりで、家計に影響が出てしまう。
売却すべきか、建物を建てるべきか、その他の土地活用方法を行うべきか、決断するには何を判断基準にすればいいのか。
ファイナンシャルプランナーに相談したところ、3つの土地活用方法についてアドバイスをもらった。
【1】土地を売却する場合
「売却して一時的に得られる収入」と「その土地を活用して定期的に得られる収入」を比較する。
その際、土地売却時に税金がかかることも考慮する。
【2】建物を建てる場合
「自身が住む居住用」と「収益物件となる賃貸用」の、それぞれの収支シミュレーションを行う。
仮に、預貯金があり、一括で建物の費用を支払える状況でも、敢えてローンを組んで「住宅ローン控除(※)」を活用することで、住宅ローン金利の支払額より控除額が上回り収支が良くなる場合もある。
【3】平地活用する場合(駐車場経営)
「安定的な収益を得ることができるのか」と、「駐車場の管理にどの程度手間がかかるか」が判断基準として重要。
安定的な収益と駐車場管理をバランス良く考えるのであれば、駐車場業者へ任せるのも一つの選択肢。
そして、ファイナンシャルプランナーからもらった最後の一言が心に響いた。
「大切なのは先祖代々守り続けた土地を、自分の代から次の世代へ引き継ぐことも併せて考えてみてはいかがですか?」
なるほど。娘に引き継ぐことも考えて、自分に合った活用方法をちゃんと考えなくては。
※年末の住宅ローン残高に応じて、一定額が税金(所得税など)から控除される制度。
土地オーナーへの道の第二話は「初めての相続」です。土地の相続後の登記や納税への対応を経て、土地活用の検討に至る男性の物語です。土地活用として駐車場経営をお考えの際はタイムズ24にお問い合わせください。